構造物としての鈴鹿サーキット鑑賞(1)
巨大な人工構造物に思わず昂る。
そういう人は潜在的に多くいるようで、デイリーポータルZでも構造物鑑賞をテーマとした記事がひじょうに多い。
送電線の鉄塔、工場、集合住宅、風力発電の風車、宇宙観測用のパラボラアンテナ、ダム、ジャンクション、立体駐車場、スタジアムなどなど。
どれもこれも萌える。
私も「構造物萌え」をテーマに記事を書いてみたいと何度も思ったが、思いつくものはだいたい既に記事にされてしまっていて目新しさがない。
さて、どうするか。何か、新しいテーマはないかな。
あ。
あるぞ。
仕事でも趣味でも本当によく行く、ものすごく身近な巨大人工構造物があるじゃないか。
サーキットだ。
そんなわけで、あえてレースが開催されていないサーキットを思う存分見られるイベントに参加した。
純粋に、構造物としてのカッコ良さを楽しむために。
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F1のために改修された鈴鹿サーキット
ニュースでもたびたび報道されたのでご存知かもしれないが、鈴鹿サーキットでは今年秋、3年振りにF1日本グランプリが開催される。一昨年、昨年と2年にわたり開催が見送られてきた「鈴鹿のF1」が、満を持して復活するのだ。
その準備を兼ね、鈴鹿サーキットは老朽化していた設備の一斉改修を行なった。
かなり大幅にリニューアルを行なうとかねがね聞いてはいたが、そんな改修後のサーキットをいち早く見られるチャンスが到来したのは今年の春。
新生・鈴鹿サーキットの、オープニングイベントの招待状をゲットしたのである。
そんなわけで、いそいそと鈴鹿サーキットに行ってきた。
レースを開催していないときのサーキットの佇まいは、ひと味違う。
と、15年前に初めて鈴鹿を訪れて以来ひそかに思っている。
実を言うと、私の鈴鹿初訪問は、なにもレースをやっていないオフ日だったのだ。
レース開催中のサーキットの主役といえば、当然レーシングカーやオートバイ、それを操るドライバーやライダーたちである。
では、レースの無いサーキットでの主役は何かと訊かれたら、答えられるだろうか。
そんなに難しい質問ではない。
その日だけは、サーキット自身が主役になるのだ。
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というわけで今回はサーキットが主役です
鈴鹿サーキットの開業は1962年。なんと今年で47周年を迎える。
改修以前の鈴鹿はといえば、21世紀のサーキットとしては世界的に貴重ともいえる、旧き佳き味わいのある愛すべきコースだった。
ただ、ハイテク化・高速化の一途を辿るレース界の進歩に取り残されつつあるコースのひとつであったことも事実。
近年では2輪競技等で深刻な事故なども多発し、現代のレース環境に合わせたコースの安全性および施設の快適性の確保や、開業当初から使われてきた一部施設の老朽化対策が急務となっていた。
ちなみに、この写真が改修前の鈴鹿サーキット。
牧歌的でいい味出してますが、あちこち狭くてほの暗い雰囲気だったのは確か。
さて、改修された新しい鈴鹿だが、「前とは全く別もんだよ」とは伝え聞いていた。
なので、それなりに心の準備はできていたつもりだったのだが。
なんすかこれは。
新しい、というか、かっこいい。
これはちょっとかっこよすぎである。構造物として。
打ちっぱなしのコンクリートが露出した巨大な柱。
規則的に並ぶ無数の鉄骨、異様に高くそびえる鉄階段、オウイエー!!
これに萌えない構造物好きが果たしているのだろうか(いやいない)。
あまりの迫力に言葉も出なかったついでだ。
この際なので立て続けに、あまりにかっこよすぎる新生鈴鹿の風景をご覧いただく。
正直に申し上げる。
泣いた。
かっこよすぎて。感動的すぎて。
シャッター切りながら涙ぐんでいた。
なんとでも言ってくれ。笑わば笑え、という心境だった。
これまでの風景をご覧いただき、気付いた方もいらっしゃるかもしれない。
サーキットという場所は、意外にまっすぐなのだ。
サーキット=ぐにょぐにょした場所、というイメージを漠然とお持ちの方も多かろうと思う。
しかし実際は、ストレートとコーナーが連続して存在しているのがサーキットだ。
鈴鹿で言えば6km弱のコース長のうち、少なくとも何割かはまっすぐなのである。
一般人が気軽に立ち入ることのできる場所で、これだけ長い「人工構造物としてのまっすぐな景色」が見られるのは、サーキットのほかにあまりないような気がする。
断言する。このまっすぐさは、見るだけでもかなり爽快。
ここで使った「まっすぐ」というキーワードは、この先もたびたび登場するので是非覚えておいて欲しい。
ちなみに、この写真がメインスタンド周辺で最もスペクタクルに感じた光景。
メインスタンド上の空中に、VIP&スイートと呼ばれるハイグレードな観戦スペースがあるのだ。どうですかこの乗り出しっぷり。
まさに空中席。マチュピチュか。小松左京のアオゾラ市か。
ここでレースを見るのはどんなひとだろう。2時間サスペンスに出てくる船越さんみたいなひとか。風呂上りでもないのにガウンを着て(しかもベルベット)、左手にブランデーグラスを持ってぐーるぐーる廻しながら右手で膝の上のペルシャ猫をなでなでしているようなひと。
感動を誘おうとした矢先に、筆者の著しく貧困な想像力とステレオタイプに束縛された価値観が露見する結果となってしまった。お見苦しいかぎり。
次はさらにサーキットの内側をご覧いただく。コースにも下りてみたので、お楽しみに。
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